かつて、英語を使う職業といえば、通訳者や翻訳者などの専門職ばかりでした。しかし昨今はグローバル化に伴い、採用条件に「TOEIC●●●点以上」などと明記し、英語力のある社員を求める企業が増えています。
就職活動をする人の中にも、「いつか仕事で役立てたい」と考え、英語を勉強したり、TOEICなどの試験を受けたりしている人は多いことでしょう。
では、その英語は、どのような仕事で活かすことができるのでしょうか。今回は、英語を使う仕事としてどんな職業があるのかをご紹介します。
翻訳には、海外の小説などを訳す「文芸翻訳」、ビジネス文書や研究論文などを訳す「実務翻訳」、映画やテレビ、DVDなどの字幕を作る「映像翻訳」があります。通訳にはいわゆる「同時通訳」の他に、話者(スピーカー)が適度に話す量を区切り、そのまとまりごとに訳す「逐次(ちくじ)通訳」、会議などで同時通訳を1~2人の耳元で行う「ウィスパリング」などがあります。
■業務内容例
翻訳:出版社、新聞社、企業、大学、研究機関で使用する各種文書の翻訳、映像の字幕制作など。
通訳:国際会議、商談、著名人(スポーツ、芸能)の会見での通訳など。
■TOEICの目安:900点~
社長や役員の秘書には、高い英語力が求められます。海外企業とやりとりする企業の場合はもちろん、上司が外国人の場合はよりハイレベルな英語力が必要となります。
■業務内容例
スケジュール調整、出張の手配、来客対応、電話、メール応対、会議等の資料作成、経費精算など。
■TOEICの目安:800点~
世界中の売れ筋商品を見極め、買い付ける仕事がバイヤーです。MD(マーチャンダイザー)は、そのような商品を予測し、開発を行う職業です。MDがバイヤーを兼任することもあります。バイヤーとMDには通訳がつく場合もありますが、海外での買い付けに一人で出かけられるレベルの英語力が求められることもあります。一般的には百貨店やアパレルショップなどに勤務して仕事を行います。
■業務内容例
市場調査、商品選定、価格交渉、発注、輸送、支払などの経理処理、商品マスタ入力、データ集計、分析(Excel:VLOOKUP・ピボットテーブル)など。
■TOEICの目安:750点~
貿易会社は世界中の国々と輸入・輸出を行います。商社の中には国内取引のみの企業もありますが、多くは海外取引も展開しています。国内にいながらの業務はもちろんのこと、海外に事業所を設けている企業も多いため、海外赴任の可能性もあります。
■業務内容例
各国からの受注データ入力・管理、出荷データ入力・管理、海外取引先、工場、乙仲とのやり取り、精算等の経理処理、書類作成、納期管理、価格管理、Excel操作(IF関数、VLOOKUP)など。
■TOEICの目安:700点~
グローバル展開している企業の場合、現地法人の労務管理やビザ手続きなどを行います。外国人採用を行う場合には、採用活動中はもちろん、入社後もさまざまなやり取りや手続きを行いますので、筆記も会話も必要です。また、給与・社会保険に関する業務や、人事関連で発生する会計業務等を行う場合もあります。
■業務内容例
面接設定(面接官、応募者のスケジュール調整)、面接対応(応募者の出迎え、面接ルームの準備)、人材紹介会社との連携、会計処理、内定者対応(入社手続き等)、社内研修(企画、資料作成、講師とのやり取り、研修開催、受講内容のフィードバック)など。
■TOEICの目安:700点~
来客応対や電話応対、英文書類の作成を行います。さまざまな企業にあるポジションで、非正規雇用の社員の登用も多く行われています。英語を使ったコミュニケーション、ドキュメント対応だけでなく、会議運営など関連するアシスタント業務が付随する場合もあります。
■業務内容例
英文書類の翻訳、海外拠点、取引先とのやり取り(メール、電話)、英文資料作成(Excel、Word、PewerPoint)、会議運営(スケジュール管理、出席者への連絡、英文議事録作成)など。
■TOEICの目安:700点~
日本の製品を海外に売り込むことを目的に、現地の事業者と連携して、各国のマーケット調査を行い、商品開発を進める職業です。また、海外企業が日本市場に参入する場合にも活躍します。メディア対応や、広告や印刷物、WEBサイトなどマーケティングに関する制作業務を担当することもあります。
■業務内容例
市場調査(調査の企画、発注、実施、データ処理、結果をまとめた資料作成)、メディア対応(サンプル商品貸出手配、パブリシティ校正、プレスリリース、問い合わせ対応)、広告関連業務(媒体出稿の進行管理、請求業務)、サイト運営(ニュースリリース作成、サイト掲載)など。
■TOEICの目安:600点~
花形職業のキャビンアテンダントやパイロットのほか、空港で働くスタッフも英語が必要です。TOEIC点数の目安は、空港スタッフでは550点以上、国際線のキャビンアテンダントでは700点以上など、ポジションによってさまざまです。旅行・観光関連の仕事も、多くの外国人観光客と関わります。また、2020年の東京五輪を見据えて、政府は訪日外国人観光客の目標人数は4,000万人を掲げており、航空・旅行・観光関連会社で英語を使った仕事の求人ニーズが高まっています。
■業務内容例
航空会社での仕事(キャビンアテンダント、空港スタッフなど)、観光ツアーのアテンド、観光地の案内スタッフなど。
■TOEICの目安:550点~
IT関連の職業でも、外資系企業を中心に英語スキルが求められています。海外の拠点や企業と仕事を進める上で、メールや電話などのやり取りや、Excel、Word、PewerPointなどのファイル、アプリケーションなどを英語ベースで使うためです。
■業務内容例
技術仕様書やユーザーマニュアルの翻訳、英語でメール、電話対応などを行うテクニカルサポート、海外拠点と連携して仕事を行うネットワークエンジニア、WebアプリケーションのテストやJavaScript APIなどAPIを用いたテストを行うテスター・QAエンジニアなど。
■TOEICの目安:550点~
マンパワーグループが開催する無料ビジネス英語セミナー(※)では、英語力を活かした仕事に就きたい、という方からいろいろな質問をいただきます。
一番多い質問は、「英語を使った仕事の経験がないのだけれど、どんな仕事からスタートすればいいですか?」です。
そのような時は、あまり職種にこだわらないことをおすすめしています。
将来自分の希望する職種や待遇の仕事に就くためには、「英語を使った仕事」の経験があることが重要視される傾向にありますので、まずは少しでも英語を使った実務の経験をつむことが重要です。
特に事務職では、ビジネス会話、メールや電話、Word、Excel、PowerPointなど基本的な業務を英語で経験したことがあることが採用時に評価されます。
職種にこだわってしまうと、なかなか仕事に就くことができないこともありますので、そこで足踏みするよりも、「ビジネスで英語を使う」という経験を優先させた方が、「英語力を活かした仕事」のキャリアを伸ばすチャンスが広がります。
ここでは目安としてTOEICの点数を紹介しましたが、同じ職業でも、採用条件として設定している英語力は企業によって異なります。また昨今は、グローバル化によってさまざまなシーンで英語に触れる機会があるため、ここで紹介した職種以外にも英語力を必要としている企業・職種は多数存在します。
まずは、自分の興味がある職種を見つけること。その中から、企業によってどれくらいの英語力が必要とされるのかを調べてみましょう。
マンパワーグループでは、英語力を活かした派遣特集ページをご用意しています。
■特集ページの内容
・職業別 求人一覧
・登録会・イベント・セミナー情報(すべて無料)
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・登録者の方向け 英語スキルアップサポート
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ぜひお役立てください。
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