【労働者派遣法】 3年後は派遣から直接雇用へ

労働者派遣法_派遣_3年

派遣社員で働けるのは3年まで、という「人で3年ルール」の話を聞いたことがありませんか?このルールを知っているのと知らないのとでは、3年後のあなたのワークスタイルに大きな影響があります。初めて知ったという方、なんとなく知っていたけど実はよくわからないという方へ、「3年後はどうなるの?どうすべき?」などについて説明していきますので、ここでしっかり理解しておきましょう!

はじめに

労働者派遣法改正前は、「ソフトウェア開発」、「秘書」、「事務用機器操作」などの「専門26業務(現在は28業務)」であれば派遣期間の制限がなく、派遣先企業と派遣社員が希望すれば同じ派遣先企業で同じ仕事をずっと続けることが可能でした。
一方で専門26業務に含まれない業務は「自由化業務」として、原則1年(最長で3年)の派遣期間の制限がありました。

2015年9月の労働者派遣法改正後は、専門26業務の期間制限がない仕組みが見直され、「業務」単位ではなく、すべての業務で働く派遣社員「個人」単位の期間制限ができました。この「個人単位」の期間制限は3年が限度のため、「人で3年ルール」といわれています。

3年後はどうなるの?なども含めて、3年ルールのポイントを説明していきます。

人で3年ルールのポイント

人で3年とは、「同じ派遣先企業の同じ組織(課・グループなど)で働くことができるのは3年まで」というルールのことです。

3年後はどうなる?

人で3年のルールですので、3年の期間制限がきたら「同じ派遣先企業の同じ組織」で派遣社員として働くことができなくなります。でもそこで終わり…ではありません!

「同じ派遣先企業の同じ組織」に3年以上就業することが見込まれた時点で、派遣会社(派遣元)は、あなたの雇用を継続するための措置をとりますので、あなたにはいくつかの選択肢があります。

派遣先企業の社員を目指す!

あなたが引き続き同じ派遣先企業で働くことを希望する場合は、派遣会社から派遣先企業へ、あなたの直接雇用を依頼することが義務付けられています。

ただし、これはあくまでも「派遣先企業へ依頼する」ことが派遣会社に義務付けられているだけで、派遣先企業は必ずあなたを雇用しなくてはならないという意味ではありません。派遣期間制限の3年を迎える前に、派遣先企業のお仕事をきっちりやる、派遣先企業でのお仕事に関連する資格を取る、更にスキルアップのために派遣会社の研修を受けるなど、あなたも直接雇用を目指していることを派遣先企業に伝える姿勢も大切です。

派遣先企業への直接雇用以外の選択肢

あなたを直接雇用することを派遣会社から依頼をしても、派遣先企業への直接雇用にいたらなかった場合、派遣会社は次のいずれかを必ず行います。

●あなたに別の派遣先企業を紹介する
あなたのスキルや経験にもとづいた別の派遣先企業を紹介します。

●派遣会社であなたを無期雇用にして派遣会社の社内で働く
派遣会社の社内で働き、定年まで雇用が継続されます。

●その他安定した雇用の継続を図るため必要な措置を取る
次の就業先が決まるまで派遣会社との雇用を継続したまま有給の教育訓練、紹介予定派遣など

人で3年ルールの例外は?

人で3年ルールには例外があります。以下に該当する人は期間の制限がありません。

  • 派遣会社に無期雇用されている人
  • 60歳以上の人

上記に該当しない人であっても、次の業務であれば3年ルールに該当しません。

  • 期限がはっきりしている有期プロジェクト
  • 日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が、通常の労働者の半分以下で10日以下であること)
  • 産前産後休業、育児休業、介護休業等で休業している人の代わりに働く場合

3年以上働くには?

人で3年ルールは、同じ派遣先企業で3年ではなく、「同じ組織(課・グループなど)で3年」です。したがって、「組織(課・グループなど)」が変われば、同じ派遣先企業でさらに3年働くことができます。具体的には、A社(派遣先企業)の財務課で3年、A社の人事課で3年…と、引き続き同じ派遣先企業で働くことができます。

通算5年を超えたら別の選択肢もある!

派遣会社との雇用期間が通算5年を超えた場合は、あなたが希望すれば派遣会社の無期雇用に切り替えることもできます。無期雇用に切り替えれば定年までの雇用が安定するだけでなく、3年ルールの例外に該当しますので、派遣期間の制限がなくなります。

無期雇用に切り替えた場合は、派遣先企業を選ぶことができなくなりますが、次の派遣先企業が決まらなくても給料は支払われるなど、雇用は安定します。もちろん、無期雇用に切り替えるか切り替えないかは、あなたが自由に選ぶことができます。

※無期雇用で未経験から事務にチャレンジしたい方へ

3年のカウントリセットはある?

空白の期間でリセットされるがオススメしない

3年の間に空白期間が「3ヶ月と1日以上」あれば、派遣期間のカウントがリセットされ、同じ派遣先企業の同じ組織でお仕事を再開した日からまた3年を限度として働くことができます。この空白期間を「クーリング期間」といいます。

このクーリング期間を利用すれば、同じ職場で働き続けることができますが、その間の収入は不安定ですし、同じ職場に戻れる保証はどこにもないので、この方法はオススメしません。

派遣会社を変えればリセット?

答えはNOです。「同一の派遣労働者」に対する3年ルールですので、派遣会社を変えても同じ人であれば通算されます。

まとめ

人で3年ルールは同じ職場でずっと働けないかわりに、3年後には派遣先企業に直接雇用または派遣会社での雇用継続など、雇用が継続するというメリットもあります。

大切なことは、3年の期間制限を迎える前に、あなた自身が3年経ったらどの選択をするのかを考えておくことです。派遣会社のスキルアップ研修やキャリアカウンセリングなども活用して、3年後の選択肢を増やすようにしましょう。

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