就活を控えている、もしくは就活中の方の中には「新卒で派遣社員になるのはアリなのか」といった疑問を持っている方もいると思います。
また、「やりたい仕事が決まっていない」「職場の雰囲気を知ってから入社したい」といった気持ちを持っている人もいるでしょう。派遣社員はやりたい仕事を探せるなどのメリットもある一方でデメリットもあるので、派遣社員になるのであればその利点と注意点を理解しておく必要があります。
この記事を読んで新卒派遣社員のメリット、デメリットから給料についての知識まで網羅的な知識を得て、納得のいく進路選択をしましょう!
新卒から派遣社員になることには少し不安がある、と思われている方も多いかもしれません。しかし近年では、新卒や第二新卒で派遣社員からスタートする人が増えているのです!
ここでは、皆様の選択肢の幅を広げられるように、派遣社員ならではのメリットや正社員と比較した際のデメリットを中心にお伝えしていきます。
まずは派遣社員の性質について知らないことには迷うこともできないので、自分が新卒派遣に向いているのかどうか判断してみてください!
「大学にいる間も自分のやりたいことがよく分からないままだった。」「やってみたいこと、挑戦してみたいことが多くてどれが自分に合っているのか分からない。」など、どんな仕事をしたいかイメージがかたまっていない人もいるでしょう。派遣では、さまざまな職種の仕事がありますし、同じ業界の中でも大手の企業から中小企業まであります。会社の規模によって仕事内容が異なることも少なくありません。色々な仕事を経験してみることで、やりたい仕事のイメージをつかみやすくなるでしょう。
また、多くの派遣会社ではクンセリングのサービスを行っているため、プロの視点から自分を客観視することもできます。
「長い間同じ仕事をするよりも、色々な職を経験してみたい。」という人も少なくないと思います。
「企業側からの説明だけではなく、実際に自分で職場の雰囲気を体験してから決めたい。」と思っている方、そして事実、『思っていた職場の雰囲気とは違っていたせいでストレスを感じ、離職してしまった。』というケースもあります。逆に、離職もできずにストレスをため込んでしまうということも考えられます。派遣社員では、正社員になる前に実際の職場で就業できるため、そのようなトラブルを避けることができます。
実際には、派遣社員ならではメリットというものがいくつもあるのです。これから一つ一つ、細かくご説明していきたいと思います。
最近では、人件費削減の影響や現場の仕事量が多いことから、企業が新人研修に割ける時間が減ってきています。そのような中で、派遣会社の行っている、ビジネススキルの研修というのは非常に貴重です。派遣社員として働くことは『経験を重ねる』ことであり、新卒ではなくても企業側からすると、採用するメリットが十分にあるのです。また、新人研修の充実している企業であっても、始めからスキルのある新入社員の方が重宝されるのはごく当たり前のことです。
多くの人材派遣会社では、職業適性や進路相談に関するカウンセリングを行っています。学生と違い、社会に出ると、誰かに相談できる機会というのは一気に減ってしまいます。いつでも知識豊富なカウンセラーが相談に乗ってくれるというだけで、大きな安心感を得られるものです。そしてもちろん、職業相談のプロの話を聞くことができるので、自分だけでは決めきれないという時も非常に頼りになります。
新卒の段階で自分が興味のあること、やりたい仕事が見つかっていない場合でも、派遣会社での職業適性の判定などを参考にしながら、慎重に様々な仕事を選ぶことができます。さらに、データ上の判断だけでなく実際に働くことができるため、その仕事の実情まで知ることができます。そのため、自分に合った仕事、本当にやりたい仕事を探すことができるのです。
逆に、やりたい仕事が明確に決まっている人にとっても、自分のやりたい仕事を選べるというメリットがあります。記事後の体験談にも一例が記載されていますが、派遣なら自分が興味のある業界に絞ってお仕事を探せます。
派遣社員として自分の入社したい企業で働くことによって、職場の雰囲気や企業体質を知ってから入社することができます。厚生労働省が発表した「新規学卒者の離職状況に関する資料一覧」(平成26年からの3年間)によれば、新卒採用者の約45%は3年以内に離職しているのです(中学卒、高校卒、短大等卒、大学卒の平均として算出)。理想と現実との格差をあらかじめ埋めておくことで、このような状況を避けることができ、入社する側にとっても、企業側にとってもプラスになります。
新卒派遣のデメリットについてもご説明します。
派遣社員は最初のうちは新卒の正社員と同程度の給与が得られますが、正社員と比べてしまうと、やはり決して収入面で安定しているとは言えません。万が一派遣先企業が経営難に陥ってしまった場合、経費削減としてまず白羽の矢が向けられやすいのは正社員よりも派遣社員であるなど、ある程度のウィークポイントについては事前に認知しておく必要があります。
派遣先の企業でそのまま正社員になる、というのはよくあることですが、必ず正社員になれるというわけではありません。契約内容次第では契約社員として雇用、ということもあります。ただし、直接雇用後の形態が、正社員なのか契約社員なのかをあらかじめ知ることができる場合もあります。正社員としての就職を考えている企業に派遣で就業する際は、事前に確認してみると良いでしょう。
派遣社員は時給が高いため、最初の数年は他の正社員とさほど変わらない給与を得ることができます。しかし派遣社員には基本的に賞与や昇級という制度がないため、同時期に入社した正社員と比べると、年齢とともに給与に差が出てきてしまいます。派遣によって自分のやりたい仕事を見つけることができたら、正社員として就業することも考慮してみましょう。
派遣と聞くと、あまり給料が高くないというイメージを持っている方も多くいるかもしれませんが、新卒派遣の給料は新卒の正社員と比べると大差はありません。自分の持っているスキルや職種によっても左右されますが、前述した通り時給自体は高いため、就業時間が一般的な正社員と同程度である派遣社員は同程度の給料がもらえることになります。ただし、派遣社員には基本的に賞与(ボーナス)がでないため、年収となるとその分の差が生まれてしまいます。
一般に、派遣社員の時給は平均すると1,500円前後となっています。参考までに、いくつかの職種について具体的な時給をご紹介します。
工場での軽作業、配送・運搬など | 1,100~1,300円 |
電話での問い合わせ対応、データ入力など | 1,300~1,600円 |
書類作成、経理業務など | 1,450~1,650円 |
接客業務、化粧品等の販売など | 1,300~1,500円 |
さらに、専門的な知識や技術を要するものになるとさらに時給が高くなり、
プログラマー、CAD、Webデザイナーなど | 1,600~1,800円 |
スケジュール管理、資料作成等の秘書業務 | 1,600~1,800円 |
資料や新聞の翻訳、外国人の方の通訳 | 1,650~2,500円 |
おおよそ、このような時給単価となっています。
平均時給から単純計算ですが、月給を算出してみましょう。就業時間が8時間で、そのうち1時間の休憩時間というのが一般的なので、この場合で考えることにすると、
(月収) =(平均時給1,500円)×(1日の労働時間7時間)×(1カ月の労働日数20日間)=210,000円
このようになります。税金の計算などを省いたどんぶり勘定ですので、目安として捉えていただければ幸いですが、新卒の正社員と遜色ないことがお分かりいただけたかと思います。
やりたい仕事が決まっていても、その業界や企業が新卒採用をしていないこともあります。新卒採用をしていない企業は中途でも経験者限定など、採用されるのはとてもハードルが高いでしょう。
未経験でも受け入れられやすい新卒派遣であれば、憧れの業界や企業で実際に働いて経験を積むことができ、夢に近づくことが可能になります!
実際に新卒派遣から夢をかなえた人の体験談を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
将来は日本のアニメをプロデュースしたいと漠然と思っていたAさん。学生時代はアニメ配給会社を中心に就職活動するも新卒採用がなく、しばらくは他の業界のお仕事をしていました。
他の業界で経験を積んでもアニメ業界に転職することは難しい…夢を諦めたくないAさんが選んだ道は、第二新卒の派遣社員としてアニメ配給会社で働くことでした!
アニメ配給会社では、海外にアニメの権利を売ったり、海外代理店と連携してアニメの配給をしたりするお仕事を中心に、アニメ業界でのお仕事の経験を積んでいきます。
派遣社員でこのお仕事を2年続けた後、Aさんは今までの活躍が認められ、正社員として登用されることになりました。
正社員になった翌年には派遣社員時代から所属していた部署のマネージャーとなり、さらにその2年後に国内のアニメ企画の部署に異動。派遣社員から通算して5年でAさんは念願のプロデューサーとなることができました!
もちろんAさんは現在もプロデューサーとして、アニメ企画のお仕事を続けています。
Aさんのように、まずは新卒派遣からステップアップしていくことも、最終的にやりたいお仕事をつかむ近道となるでしょう。
いかがだったでしょうか。世間的には、派遣社員よりも正社員の方が良いに決まっている、と思っている人もまだ多いかと思います。しかし、「大学卒業後の進路に迷っている。」「自分のやりたい仕事がまだ見つけられていない。」という状況で生涯の仕事を決めてしまうことは、必ずしも最善の道だとは言えません。定年退職の年齢も伸びている昨今、派遣社員としていくつかの仕事を経験してからでも決して遅くはありません。
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